小説(ホラー・サスペンス)

ikill~ターゲットの狭さが際立つドス黒パルプフィクション

渡辺浩弐氏という作家は芸風の幅も広いけれど、そこには通底するものがある。 既存概念も先進的な概念も含めて、どこか俯瞰的に見下ろす、冷静な視点だ。批評家的と言ってもいいそれは、かつて下ネタをネタに下品極まりないキャラづくりでコラムを書いていた...
コミック(トキワ荘の巨匠)

『サンプルAとB』シェークスピアの古典をSFに?宇宙人が人間にみたもの

子供の頃、確か投稿系の文集か何かだったと思うんですけど、あれから数十年たっても印象に残っている文章があります。 内容はゴキブリの視点での人間観察。もちろん子供の文章だから視点も素朴だし、語り口も捻りのないストレートな文明批評です。 でも、そ...
コミック(トキワ荘の巨匠)

別の選択肢を選んでいたら、という見果てぬ願望『パラレル同窓会』

ドラえもんを見るまでもなく、藤子・F・不二雄という漫画家を語るうえで、タイムトラベルという題材が作劇の上でひとつの大きなテーマになっていたことは間違いないでしょう。 そこに通底して見られるのは、「あの時ああしていればよかった」「こうしていれ...
小説(ホラー・サスペンス)

クラシカルに魅せる古典的ホラー・瀬下耽『柘榴病』

昭和初期の怪奇小説というのは、他では見られない独特の味を持っている。 これは怪奇というジャンルに限ったことではないけれど、当時の小説には独特の圧迫感というか重苦しさがあり、そこに苦手意識を持っている方も多いんじゃないだろうか。 ただ、怪奇...
小説(ホラー・サスペンス)

ゲーム誌の片隅で展開された戦慄の未来 『ゲーム・キッズ』シリーズ

ゲーム雑誌というのは面白いもので、初期はただの攻略本の一形態からスタートしたはずが、気が付いたら周辺の先進カルチャーまで手広く扱うようになっていた。 今でこそ純粋な情報誌になった感があるけれど、多分、20世紀終わりごろまではそうした気風のよ...
コミック(トキワ荘の巨匠)

愛情は本当に不滅か?怒り新党を凍らせた悪意の名作『間引き』

「間引き」というタイトルからして不吉なこの作品は、は2013年のTV番組「怒り新党」の「3大藤子Fらしからぬ作品」特集でトリを飾って有名になりました。 もっとも、元々藤子SFファンだった方々の中では、このセレクトは意外だったようです。 とい...
小説(ホラー・サスペンス)

「全員、悪人」を地でいく暗黒ノワール『1974ジョーカー』

毎日の生活にかまけているとつい忘れがちになるけれど、少し時代をさかのぼると、同じ国とはいえ驚くほどに文化の違いが生じていることに気づく。 日本に限定しても、たとえば30年もさかのぼればバブル期。 経済的には反映していた一方で、横行する容赦な...
コミック(トキワ荘の巨匠)

『ミノタウロスの皿』に見る相互理解の困難さ

自分と価値観の違う人の考えていることを理解する。 口でいうと簡単だけれど、これほど難しいこともそうそうない。 なんせ、自分にとっての価値観なんて、そうそう変わるもんじゃない。 いくら他人の言うことが正しかろうが説得力があろうが、あんまり関係...
コミック(トキワ荘の巨匠)

日常的ディストピアの不穏『定年退食』

藤子・F氏のSF作品には「未来を予見した」と言われるものが少なくありませんが、その中でも老人問題をモロに扱ったことで有名な作品がこの「定年退食」。人口ピラミッドのアンバランスさがいよいよ本格的に問題として語られながらも、何ら有効な手立てが打...
コミック・アニメ感想(その他)(移)

「少年コミック誌」という曖昧な線引き

一言で「少年コミック」といっても、それがどの程度の厳密さを持ったジャンルなのかというと、かなり怪しいものがあります。 いい例が「ジャンプ」「マガジン」あたりに代表される4大少年コミック週刊誌で、雑誌ごとにこれでもかというくらいに作風に...
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