古風っぷりが最高!山陰本線沿線・温泉津温泉で昭和を味わう

山陰本線の沿線には温泉地が結構な数存在していますが、今回はその中から温泉津温泉を取り上げます。
一瞬誤植かと思うでしょうが、これで合ってます。「ゆのつおんせん」と読みます。

 

到着前からじわじわくる雰囲気!温泉津温泉へのアクセス

最寄駅は山陰本線「温泉津駅」。太田市と江津のおおむね中間点に位置する駅です。

エリア的には山陰本線の中ではそこそこ程度の便数。待ち時間こそありますが、鈍行だけでもそこまで苦労せず到達可能です。加えて、この駅については特急も停車します。アクセスの利便性ではさすがに米子や鳥取エリアには及ばないものの、それでも比較的訪れやすい部類に入るでしょう。

温泉地の最寄駅ということでにぎやかそうな街並みを想像するかもしれませんが、いかんせん1日の乗降人数が100人を切っている駅ですから、駅前も極めてひなびたもの。特急停車駅という感じはまったくしません。駅自体もごく小さく、ただただ静かな街並みが広がっています。

レトロな道のりが温泉街への期待を盛り上げる

駅から温泉までは結構距離があります。温泉津駅の駅前正面はいきなり急斜面の丘に遮られているのですが、温泉津温泉はこの斜面のちょうど反対側にあり、丘の周囲を大きく迂回する必要があるためです。もっとも、距離があるとは言っても徒歩15分圏内なので、歩こうと思えば無理なく歩ける範囲で言えます。

温泉津温泉に向かうルートは、物理的には山寄りに進む方法と海寄りに進む方法があります。ただ、基本的には海寄りに進むルートがメインです。山寄りのルートはかなりアップダウンが激しい上に道もわかりづらく、はじめての方にはまったくお勧めできません。もっとも、はじめて駅前に降りた場合、最初に温泉街のアーチがまず目に飛び込んできます。これがかかっているのが海寄りルートなので、まず間違えることはないでしょう。

海寄りルートは古い街並みを行くいかにもレトロな道のりで、好きな人にはたまらない雰囲気を醸し出しています。歩いているだけで温泉街への期待が膨らんできます。

道自体は単純なので、普通に進んでいけば大丈夫。途中にはこれまたなんとも歴史の古そうな小さな港があったりして、かなりいい雰囲気に浸ることができます。

 

今は昭和か大正か!?温泉津温泉の強烈なレトロさに圧倒される

とはいえ、温泉街のインパクトはそれをはるかに凌ぎます。
見た瞬間、ほとんどの方は「古き良き昭和」という言葉を思い浮かべることでしょう。

実際、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、さらに石見銀山と一緒に世界遺産登録さえされているわけで、その古風っぷりはまさに折り紙つき。そんな建築群が山や丘に囲まれた狭い土地に密集している様子は、まさに隠れ里といわんばかりの異様な迫力があります。

温泉としての効能については極めて評価が高く、共同浴場のひとつ「薬師湯」は日本温泉協会により最高評価を受けています。

なお、日帰り入浴ができるのは3軒。価格はいずれも一般的な銭湯レベルなので、気負う必要もありません。

温泉津温泉でも屈指の撮影スポット「薬師湯」

先に触れた共同浴場の「薬師湯」も、日帰り入浴ができる施設の一つです。ただ、この薬師湯、温泉自体もさることながら、温泉津温泉全体から見ても異彩を放つ、洋風の建築様式が特徴です。

ここまで昭和、昭和と連呼してきましたが、この建物についてはどちらかというと明治か大正か、そのあたりの時代の迎賓館といった雰囲気。それも、外側だけでなく、内部も。レトロさとモダンさが混在した光景は他に類を見ないもので、思わず引き込まれること請け合いです。実際に撮影スポットとしてもしられており、たとえ温泉が主目的だとしても、ついシャッターを切ってしまうでしょう。

温泉そのものは、いかにもかけ湯と言った感じのシンプルさで、建物の豪華絢爛さとのギャップがたまりません。文句なしに必見です。

 

レトロな異空間!日帰り入浴で束の間のタイムトリップを

温泉津温泉は、規模としてはさほど大きな温泉ではありませんし、エリアそのものもそう広いわけではありません。ただ、昭和初期で時間が止まってしまったかのような風景には圧倒されるはずです。

前述の通り安価な日帰り入浴も可能なので、旅の疲れをいやすにももってこいです。良質な湯を楽しむとともに、ちょっとしたタイムトリップ感覚を味わってみてはいかがでしょうか。

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