私がムーンライトながらを予約しない、その理由

ローカル線旅行、かつ18きっぷ使用と言うケースにおいて、よく話題になるのが臨時列車「ムーンライトながら」です。これは東京(品川発の場合もあり)から岐阜県の大垣を夜通し使って走破する夜行快速です。快速である以上当然18きっぷでも乗れる(ただし、指定券代は追加で必要)ということもあり、リーズナブルに済ませたい方には、定期列車であったころから高い人気を誇っています。

利用自体が困難…ムーンライトながらの現状

が、現状でこの列車を使うのは、非常に困難と言わざるを得ません。
上りはまだいいのですが、東京発の下りは、もはやプラチナチケットといっても言い過ぎではなく、発売当日である1カ月前に窓口にいっても大体売り切れています。というか、ネット予約でも無理です。

こちらのサイトでは1カ月と1週間前(つまり通常の申し込みより1週間早めに)から「予約の事前受付」が可能なのですが、ムーンライトながらの場合、たとえこのサイトを使っても「予約できませんでした」との返事が返ってくることが少なくありません(なお、予約できた場合も、発券はJR東日本管内のみとなりますのでご注意を)。いくらなんでも人気高すぎです。

 

ムーンライトながらを選択肢から外す、その理由

そんなこんなもあり、筆者の場合、最近はムーンライトながらをハナから計画に組み込まないようにしています。なにしろ予約が決まるまで計画が立てられないのですから、かえって面倒くさい。

ただ、不確実性はもちろんなのですが、それ以上の理由もあります。それは、ローカル線旅行を計画する上ではむしろマイナスになることもあると考えるからです。

万が一の時に代替となる列車がない

ムーンライトながらは、今では希少な深夜便です。だからこそ価値があるわけですが、逆に言うと、万が一乗れないような事態が生じてしまうと、計画は根っこから破綻します。

代表例が、仕事が急に増えた場合など。もちろん、深夜の出発ですから、たとえ増えたとしても間に合うことがほとんどのはずです。理屈で考えれば。

ですが、こういう時に限って…というパターンが、経験上、意外と多いんですよね。具体的には、同僚だけではさばけない規模のトラブルが起こるとか。もちろん事前にデッドラインの時刻は告げてはいるのですがこうなるとアウトです。そして、徹夜明けの頭で予定を最初から組み直しという余計なオマケまで突いてきます。

もちろん、確実に退勤できる、確実に出発時刻までに駅にたどり着けるという条件の方は、これには当てはまりません。

距離は稼げるが、体力を消耗する

これは夜行の交通手段すべてに言えることですが、ながらの場合は「寝るモード」に入らない客がいたりするため、特に顕著な気がします…。

私個人の経験で言うと、25歳を超えたあたりから一気にこれがきつくなった印象があり、ながらを取れた場合でも、翌日1日は本当に、意識を朦朧とさせつつ列車に乗っているだけと言う状態になってしまいます。貴重な休みを無駄に1日潰すほど、ばからしいことはない、と考えたのです。

そもそもよほど遠距離でなければ使う意味がない

たとえば、どうしてもその日中に行けるところまで行きたい、といった「限界に挑戦!」的なノリで使う分には、ムーンライトながらの利用価値は高いです。

ただ、逆にそこまでの遠距離でなければ、通常の列車だけでも到達できるんですよ。

たとえば、この記事を書いている時点でのダイヤであれば、品川発の東海道線始発に間に合えば(品川でスタンバイしておく必要はありますが)、九州の小倉まではたどり着けます。当然、もっと近いエリアであれば、それよりも遅い列車でOKなわけで、体力的に無理をしてまでながらを使う意味がありません(ただ、岡山以西を目指したい場合は、姫路以西の終電の早さがネックとなるので、十分注意してください)。

 

メリットだけに目を奪われると振り回される

ということで、筆者がながらを使わない理由を述べてきました。もちろん、ムーンライトながらという列車の価値を否定する気は毛頭ありません。それどころか、メリットが有り余るほどあるからこその人気列車だと思っています。

けれど、旅の計画を限られた期間で立てなければいけなくなったり、最後まで不確実性が付きまとうなど、ながらを前提にする旅はデメリットも確実にあります。その点で、最初から使わないと割り切ってしまえば、かえって安定して計画を立てられるようになった気がします。

ムーンライトながらに振り回されている方は一度お試しあれ。

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