思い出したかのように、東京に大雪が降る。
たまにあるパターンですが、こうなると雪対策には弱い東京圏ではJRなどの公共機関も止まりまくってしまうのが定番です。動かない電車の中で大変な思いをされた記憶のある方は多いのではないでしょうか。筆者も以前、すし詰めの車内で意識が飛びそうになった思い出がありますが、正直あの時のことはいまだに思い出したくもありません…
さて、雪が降った時に、交通網とは別に頭の痛い問題が雪かきです。関東だと雪かき道具なんて揃えてない方も多いと思いますが、いざどんどん積もってくると、「ロマンティックだねえ」なんて言ってるわけにはいかなくなってきます。そこで、今回は雪かき道具のベストは何なのかを考えてみます。
雪かき道具には手は抜かない方がいい
まっとうに雪かきをするなら、それ用の道具は必須です。
関東地方あたりですと、手軽だということでお湯をかける人が
結構おおいですが、あれはお薦めできません。
凍結してしまうことが多く、単純に危険なためです。
関東は確かに比較的温暖ですが、それでも凍るときは凍ります。
私自身、自分がお湯をかけた場所で滑って
派手にこけたことがあります。
自転車に使ったらブレーキが効かなくなったというような
恐ろしい話さえありますので、やめときましょう。
さて、話をもどしますが、
雪かき道具は、雪の状態や量によって適した道具が変わってきます。
雪が少し積もり始めたくらいの時はちりとりや庭ぼうきで十分です。
この場合は、手の空いたときにマメにやるのが結局早道になります。
ただ、ある程度積もってくると、定番の道具が必要になってきます。
スコップは場面と使用者で向き不向きがある
スコップは、さばける量が少ないのが難点です。
ただ、ごく狭い範囲を除雪するのであれば、これでもいけるでしょう。
最初に思い浮かぶであろう雪かきスコップは、
プラスチック材質などで、軽量化されている商品が多いです。
それだけに、比較的取り回しは楽なのですが、壊れやすいです。
ある程度以上の量が降った時や、固まり始めた時には
使うのは難しくなってきます。
あくまで、新雪のうちにさばいてしまえる余裕のある方用と
考えた方がいいでしょう。もしくは、
壊れることを覚悟の上で複数本買っておくかです。
一番広く使えるのは、一般のスコップ、
それも剣先が四角型のものでしょう。
雪かきスコップに比べればだいぶ丈夫ですから、
少々雪が重かったり固まったりしても、差し込みやすいです。
ただ、いよいよガチガチにかたまって、
これでも歯が立たなくなると、
剣先が三角形のものでないとどうにもならなくなります。
三角形のスコップは通常の雪かきには使いづらいため、
あくまでも固まった時の突き崩し専用になります。
なお、ご存知のように、一般のスコップは重いので、
取り回しは決して楽ではありません。
人気なのは量をこなせる「押すタイプ」
ある程度雪が多くなってしまう場合に、
人気なのがスノーダンプ(いわゆるママさんダンプ)です。
雪をすくい上げてそのまままとめたい場所まで押していきます。
収容量も結構あるため、ある程度まとまった量をさばく場合の
雪かき道具としてはこれがベストでしょう。
固くなった雪には使いづらい欠点がありますが、
あらかじめスコップで突き崩してからやれば問題ありません。
なお、押すタイプの雪かき道具には、他にプッシャーがあります。
スノーダンプと違うのは、
雪をすくい上げずに、単純に押すだけという点です。
性質上、雪がさらさらしているうちでないと使いづらいため、
活躍の場はある程度限られてしまうと思います。
ベストの雪かき道具は結局どれ?
ではベストの雪かき道具はどれかというと、
これは使う人によって全く変わってきます。
特にスコップは、使い勝手と汎用性のどちらをとるかで
全く選択が変わるでしょう。
全部あればそれに越したことはないでしょうが、
ある程度絞ってそろえるなら、私見では
雪の多い時対応できるようにしておいた方がいいと思います。
そのため、スノーダンプをメインに、
使う人や状況に応じたスコップなどを補完するのが
いいのではないでしょうか。
私の中では、汎用性だけ考えるなら、スノーダンプ+四角スコップがベストだと思います。
意外と盲点になりがちな重要アイテム
雪かき道具というと、どうしてもスコップなどの準備に気を取られてしまいがちですが、意外に忘れがちなアイテムもあります。
手袋と長靴はちゃんと雪かきに使えるものを
盲点になりがちなアイテムの筆頭が手袋と長靴です。
どこの家庭にもありそうなものですが、雪かきを前提にすると、意外に、適切なものが揃っていないという方は少なくありません。
まず手袋ですが、雪かき用ですから、当然防水タイプのものが必要です。
もちろん、防寒性までしっかり備えた防水手袋がベストなのは言うまでもありません。
ただ、そこまでは揃えられないという場合は、ゴム手袋などでもいいので、防水性の高いものを一セットくらいは揃えておきましょう。
最悪、軍手と組み合わせて使うのも手です。
長靴については、滑り止めが付いているもの。
確かに関東の雪は量的には少ないことが多いですが、凍結してしまえば普通に滑ります。
安全のためにも、せめて一足だけでも揃えておくといいでしょう。
最近では、下手なスニーカーなどよりも安いことも多いですから。
思いのほか役立つスノーダンプスプレー
これは、必須というよりは「あると便利」系のアイテムになりますが、雪かきの機会が少ない関東圏では知らない方も多いかもしれません。
雪かきをしばらくやっていると、負担になってくるのが雪がスコップやダンプにくっついてくることです。雪のくっつき方というのは思った以上にしつこいため、どんどん効率が落ちていきますし、体力的な負担にもなります。
それを防ぐのがスノーダンプスプレーです。離雪スプレーなどといった名前で売られていることもありますが、要はこの雪のくっつきを防いでくれるという優れものです。
同じ程度の雪であっても、これがあるとないとでは作業の手間がかなり変わってくるはずです。
東京エリアの雪かきを楽に済ませようと思うなら
ただ、色々道具について書いてきましたが、雪かきを少しでも楽にすませようとするなら、重要なのはやはりタイミングです。
東京では、積雪量そのものは雪国に比べればはるかに少ないのですが、楽に済ませるためには雪が凍結していないことが条件です。いったん凍結してしまうと、雪というのは想像以上の強度を持ちますから、単なる積雪量以上の労力がかかることになってしまいます。
逆に言えば、凍結する前にざっくりとでも片付けてしまえば、それだけでかかる手間は激減します。
凍結を防ぐ絶好のタイミングは「雪が降りやんだ時」
もっとも、四六時中外にでていたら凍えるだけですし、だいたい雪が降りしきる中外にいるなど、雪かき以上に考えたくないシチュエーションでしょう。雪かきが原因で体調を崩してしまったら何にもなりません。
ただ、多くの場合、東京ではそこまでする必要はありません。狙うべきタイミングは、ただ一つ。雪が降りやんですぐのタイミングがそれです。
これは、雪というのは、概ね降りやんだところで凍結が始まるのが一般的なため。体調の維持を考えても、このタイミングがベストでしょう。
理想どおりにはいかないので柔軟な対応を
ただ、以上はあくまでも日中の話。夜間に止んだとしても、無理にやるのはお勧めできません。
視界が悪いので危険ですし、昼間に比べて気温が輪をかけて下がっていますから、体調面でのリスクも高いです。むしろ、日の出とともに早起きしてやる、くらいに割り切った方が、精神衛生上もいいでしょう。
また、言うまでもないですが、この項で述べたことはあくまでも理想論です。仕事の関係上、雪のやむタイミングに合わせられるわけないだろうという方も多いでしょう。けれど、極力これに近いタイミングでやるに越したことはない、ということだけでも頭に入れておくと、平日は無理でも休日などの場合は役に立つはずです。
それにしても、雪もそうですが、本当に天候ほど人間の都合を無視してくれるものもないですよね…
「備えあれば憂いなし」こそが東京の雪かきには必要だ
東京圏は雪には脆いことが多いですが、結局個人・企業を問わず、慣れていないこと、準備していないことが一番大きな理由でしょう。もちろん、機会自体が少ないのが背景としてあるわけですが、逆に言えば「たまにはすごいのがやってくる」ことはみんなわかっているわけです。
それなら、最初から準備しておいた方が気が楽でしょうし、慌てなくて済みます。別に雪国並みの設備を揃えるというわけでもないので、「備えあれば憂いなし」の精神で必要なものだけでも常備しておきましょう。
最後に、どの道具を使うにせよ、雪かきはやり始めると集中してしまうため、周りへの注意が散漫になりがちです。それが原因の事故も結構起こっているので、充分にお気をつけて。