予約開始日に備える!SL銀河の詳細情報まとめ

※2020年度のSL銀河は、大幅なスケジュールの縮小が行われ、7月18日以降の限られた便のみの運行となりました。
お急ぎの方はこちらからご覧ください。

2014年4月から岩手県のJR釜石線で運行開始されたのが、蒸気機関車「SL銀河」です。
SL銀河に使用されるSLは1940年に作られたC58形239号機で、盛岡市内の岩手県営交通公園に展示されていた蒸気機関車を修理して使用します。

私も子供のころ、公園にあったSLで遊んだ記憶があるので、このニュースを聞いて「そうか、あのSLも修理すれば動くんだ…」と初めて意識して、新鮮でした。

この記事では、SL銀河について、コンセプトや見どころ、運行日などをお伝えするとともに、楽しみ方を考えていきたいと思います。

SL銀河の運行・予約についての基本

まずSL銀河の運行形態についてですが、運行区間はJR釜石線の花巻-釜石間です。

運行日は基本的には土日主体です。ただし、そうはいっても休みの週が不定期に挟まれます。また、ゴールデンウィークなど祝日が絡むときは、イレギュラーな運転日程になることもあります。以上のように、一応週末運行となってはいるものの、かなり変則的なスケジュールとなっています。

また、運行日についてもう1点注意すべきなのが、1日あたり片道ずつの運行形態です。例えば、土曜に花巻駅発釜石行きを運行したとしたら、復路となる釜石駅発花巻行きは翌日の日曜になるということです。このため、往復ともSL銀河に乗ろうとする場合は、最低でも2日見ておく必要があります。

先述の通り、スケジュール自体が不定期性が高いため、日程を立てる際にはあらかじめ時刻表やJRの窓口で確認を取っておいた方が無難でしょう。

SL銀河は全席指定制で、料金は、通常料金に加えて指定席券の購入が必要です(乗車前1か月から購入可能)。例年非常に人気が高く、ファンも集中的に購入に走るため、便によってはかなりレアなきっぷになるかもしれません。

SL銀河は宮沢賢治モチーフのリゾートトレイン

SL銀河は、東日本大震災で被災した釜石市の観光需要増加を狙って企画された、復興支援の側面が強い列車です。

その一方で、近年のJR各社におけるリゾートトレインの流れを汲んだものでもあります。最近ではJR九州の超高級リゾートトレインの「ななつ星in九州」が予約完売続出となったのは記憶に新しいところです。

SL銀河は値段的には比べ物にならないくらい気軽に乗れますが、車両にはなかなか気合の入ったこだわりが見られます。

プロデュースはデザイン事務所のKEN OKUYAMA DESIGN。過去ポルシェ社などでデザイナーを勤めてきた奥山清行氏が代表を務める、自動車やインテリア関係のデザインを行っている会社です。

客室は大正・昭和のイメージかつ豪華な雰囲気を狙って、ガス灯風ランプやステンドグラスを採用。
その一方で、星座をモチーフにしたパーテーションや、最後尾に設置される小型プラネタリウムを用いた天体ルームには作家・宮沢賢治(花巻出身)の代表作「銀河鉄道の夜」からの影響がうかがえます。レトロなのに宇宙的な、独特の世界観が味わえそうですね。

車内には他にも、ギャラリー、売店やラウンジも設置されます。

釜石線としては久々のSL復活

SL銀河が走る事になる釜石線についても触れておきます。

釜石線は内陸部の花巻(東北本線と接続)から太平洋岸の釜石までを結んでおり、日本地図上でみると東北地方の東側を横向きに走っている路線です。宮沢賢治が『銀河鉄道の夜』のモチーフとしたという説もあり、「銀河ドリームライン釜石線」という愛称が付いています。

東北地方~太平洋岸の路線としては、比較的開けている(あくまで比較的にはです)部類の路線で、途中駅には「遠野民話」で知られる遠野などがあります。

地形的には、途中で仙人峠という厳しい峠が行く手を遮ります。この仙人峠は、戦前にはあまりにも激しすぎる峠のため線路が引けなかったといういわくつきの区間で、当初は仙人峠のふもとまで東西に線路を敷き、峠自体は徒歩や籠で越えるという力業が取られていました。最終的には経路自体の見直しが行われ、結局仙人峠を大きく迂回する形で現在の線路が敷かれています。

この区間に当たる足ケ瀬~~陸中大橋は「Ωループ」として有名で、圧巻の山岳風景を拝むことができます。
ちなみにSL銀河では、蒸気機関車では勾配区間での牽引が難しいということで、客車に気動車を使用して補助しています。

釜石線には90年代にはSLが定期運転されていたものの、2001年以降は臨時運転として数える程度の回数が運行されたにとどまっていました。
それだけに、SL銀河は釜石線としては久しぶりのSL復活という意味をもっていたのです
この機会に、銀河鉄道のモデルとなった景観をSLで楽しんでみるのはいかがでしょう?

 

2020年のSL銀河運行日・時刻・料金・予約方法(2020年2月追記、6月修正)

2020年のSL銀河は、当初発表された予定よりも、大幅にスケジュールを縮小しての運行となりました。

2/12時点で公式発表されていた2020年度の運行スケジュールは下記のとおりですが、その後大幅な運休が決定され、結局運行再開は7月18日以降からの便にずれ込みました。最終的には、1年に5往復という超レア列車になってしまったことになります。

なお、さらなる変更の可能性もありますので、旅行の際には公式や予約センター店頭で充分確認されることをお勧めします。

●花巻発→釜石行き
4月:18、25、29
5月:2、5、9、16
6月:なし
7月:4、11、18、23
8月:1、8、15
9月:なし運行時刻:花巻発10:37→釜石着15:08●釜石発→花巻行き
4月:19、26、30
5月:3、6、10、17
6月:なし
7月:5、12、19、25
8月:2、9、16
9月:なし運行時刻:釜石発10:58→花巻着15:19

当初の予定では、昨年と同じく土日を中心とした運行で、一部祝日がからむ日にも運行される予定でした。

気になるのは、その段階で昨年に比べ、5月下旬~6月いっぱい、および8月下旬~9月いっぱいの運行がまったくなくなっていること。運行本数としては相当の減少で、今後がすこし不安になるところです。

往復ともSL銀河を利用したい場合、概ね1日目が釜石行き、2日目が花巻行きという形になっています。ただし、7月23日の釜石行き→7月25日の花巻行きのみ間が1日あく形になっているので、ここの便を利用される場合は注意が必要でしょう。もっとも、釜石でゆっくり観光したい場合には逆にうってつけかもしれません。

いわて幸せ大作戦号について

昨年は釜石線以外でも、「いわて幸せ大作戦」号として、東北本線盛岡・一ノ関間でもSL銀河が4月6日・7日に一往復だけですが運転されました。

ただ、2020年に関しては、結局運行は発表されませんでした。もともとSL銀河5周年を記念した特別運行とされていましたから、今後運行されるかどうかについてはかなり怪しいかもしれません。

運賃・予約方法について

指定席料金に関しては、昨年の消費税増税の影響で20円ほど値上がりしています。

・2020年のSL銀河指定席運賃:840円(子供半額)

なお、指定席券の他、運賃も必要です。

花巻・釜石間乗車の場合は大人片道1690円。指定席料金と合わせた合計金額は、大人片道2530円となります。
※なお、昨年度運行の「いわて幸せ大作戦」号(上述)の盛岡-一ノ関間も同料金でした。念のため付記しておきます。

・予約は乗車日1ヵ月前の朝10:00より主要駅指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、その他主要旅行会社窓口などで可能。

※参考:岩手県内のみどりの窓口一覧
また、「えきねっと」でも予約可能。

極力確実に予約したい場合は、さらに1週間前の朝5:30から事前受付可能な「えきねっと」を利用するのが無難かもしれません。ただし、この事前受付は予約を確約するものではない上、SL銀河自体が非常に人気が高いため、これでもダメな可能性は十分あります。

あらかじめ、候補日を複数立てておくくらいの気持ちで臨んだ方が無難かもしれないですね。

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