「三角定義油揚げ」をご存知でしょうか。
仙台市の隠れた名物グルメですが、これがなかなか、油揚げという食べものの定義を見直したくなる魅力にあふれた逸品なのです。
三角定義油揚げとは?
三角定義油揚げは、仙台市青葉区に店舗のある定義とうふ店が製造元で、手のひらほどのサイズの三角形をしています。名前の由来はここからでしょう。
定義とうふ店は明治23年創業の老舗で、店内での食事もできますが、あっという間に満席になってしまう人気店です。そんなお店の、まさに看板メニューがこの油揚げなのです。
ネットではよく「三角定規油揚げ」と表記されていることがあります。おそらくは誤植かと思うのですが、形やサイズといった見た目はモロに三角定規なので、正直こちらの名前でも違和感はありません。ちなみに、2020年現在での店頭でのお値段は130円と、至ってリーズナブルです。
通販さえ超混雑状態に陥ったことも
定義とうふ店の公式サイトでは通販も行っています。こちらの値段は3袋セットで1800円、5袋セットで3000円(いずれも税込・送料別。2020年現在)。1袋に5枚入っているため、送料のことを考えなければ、一枚当たりの値段はむしろ店頭価格より安かったりします。この辺り、非常に良心的なお店の姿勢がうかがえます。
ただ、かつてテレビ『ケンミンSHOW』で放送された際には、全国的に注目を集めすぎたために相当の混雑状態に陥ったようで、その当時は発送に時間がかかってしまうとのアナウンスがかかっていました。テレビの影響はやはり強烈ですね。
現在はこのアナウンスは行われていませんが、またテレビで紹介されたりしたらどうなるかは容易に想像がつくところです。
独特の食感がクセになる!三角定義油揚げの魅力とは
三角定義油揚げは製法が独特で、高温と低温の2種類の油で二度揚げします。こうすることによって、表面はカリカリっとして歯触りがよく、それでいて内側はふっくらした独特の食感が楽しめます。
醤油と七味で食べるのが基本で、油揚げをこうした形で食べるのは結構新鮮です。一見して分厚い上にサイズも一般的な油揚げを想像していると度肝を抜かれる大きさですが、それ以上に驚かされるのが大豆の旨味が濃縮還元されたかのような味わい。独特の香ばしさはかなりクセになります。
三角定義油揚げは現地ではファーストフード扱い
前述の通り、お値段が安くて気軽に食べられる上にボリュームもあるため、三角定義油揚げは地元ではちょっとしたファーストフード的な感覚で親しまれているようです。原料が大豆100パーセントということを考えると、相当ヘルシーなファーストフードですよね。
ちなみに定義とうふ店では他にもとうふ田楽などのリーズナブルなメニューを提供。正直なところ、現地で日常遣いできる方がうらやましいです。
大願祈願のついでの直接訪問もあり!
これまでは全国的にはマイナーだけど地域的には無茶苦茶有名という、典型的な地域限定の謎のグルメというノリだったのですが、実力は本物です。
地域密着型なだけに、テレビで紹介された際の大騒ぎは予想外だったと思いますが、これからも地味ながら手の込んだ味わいを提供し続けていただきたいと思います。
ちなみに、定義とうふ店は大願祈願で有名な定義如来西方寺への参道途中に店を構えていることもあって、今となっては三角定義油揚げが西方寺自体の名物として受け止められている面もあるようです。お店ではちょうどベストの食べごろで出してくれますので、こだわりのある方は参拝ついでに訪問してみるのもオツだとおもいますよ。