AIが話題になるようになってから、
歩調をあわせるように話題になっているのがプログラミングです。
これからの時代の必須スキルとして、
猫も杓子もプログラミングという雰囲気。
今年からは小学校でも必修になるわけで、
パソコン教育さえまだ始まっていなかった年代の自分としては
時代の移り変わりの速さ(と自分の年齢)を身に染みて感じているところです(苦笑)。
プログラミング入門者の最初の壁を打ち壊す!『東洋経済』特集
さて、そんなご時世だけに、ひとつプログラミングとやらを
はじめてみようじゃないか、と思う未経験者は多いと思います。
そうしたとき、まず困るのが最初の一歩。
「プログラミングとは何ぞや?」という、
まさにその部分の障壁がかなり高いためです。
確かに、初心者向け・子供向けを謳った本はいくらでもあります。
ただ、筆者がこれまで見た限り、
こうした本でも最初の数ページでいきなり専門用語を使ってくることが多い。
多少なりとも予備知識がないと、
その時点で躓いてしまうパターンが大半でしょう。
その、「一番最初の一歩でまず押さえるべき知識」を
簡潔にまとめた良記事をみつけたのでご紹介します。
ビジネス誌『週刊東洋経済』の2020/1/18号の特集、
『今年こそ始めるプログラミング』
です。
最低限の予備知識に絞ったからこそのわかりやすさ
まず、過度な期待をされても困るので最初に書いておきますが、
これ一つでプログラムができるようになる、なんてものではありません。
特集タイトル通り、これまでプログラムをしたことのない人が
まず知っておくべき、最低限の予備知識をまとめたものです。
ですから、多少なりとも入門書を自力で進められるレベルの方が
読む記事ではありません。
ただ、そういう記事だけに、未経験者には最高にわかりやすい。
正直、ここまで理解しやすく、かつ手際よくまとめられた内容を
読んだのははじめてです。
短いページ数の中に、プログラミング全般に共通する基本的な構造や考え方、
学ぶべき言語選びのための各言語の位置づけなど、
プログラミング未経験者がまず知りたいであろう情報が
適度に網羅されています。
特に、最初に記載されているプログラミングの構造要素、
「順次処理」「反復」「条件分岐」の3要素の解説はお見事。
ここまでかみ砕かれれば、たとえガチガチの文型人間でも
問題なく理解できます。
特集の後半では、ごく基本的なものではありますが、実地のプログラミングも解説されています。お題となる言語はAI界隈を中心とした開発を得意とするPythonと、業務効率化ではまず間違いなく名前が出てくるVBA。まずはここから手を動かしてみてはどうでしょうか。
こちらも難解な解説はなく、じっくり理解していけば十分こなせる範囲。自分でも作れたんだ、という実感を味わうにはもってこいの内容と言えます。その実感は、きっと今後学習を進めるうえでのエンジンになってくれるでしょう。
プログラミングは意外にシンプル!?やる気が出てくる良解説
プログラミングというとなにかとてつもなく難解なものというイメージがあります。
実際に言語の学習を始めると、(特に独学でやろうとすると)詰まることも多いはず。
ただ、本特集は、そのイメージを多少なりとも覆してくれます。
「あれ?意外とこれ、俺にもいけるんじゃないか?」と
思わせてくれますし、やる気も出てくるはず。
基本的な考え方が3つだけ(その応用は多々あるにしても)なら、
その気になれば何とかなるような気になりません?
多分ですが、これは雑誌、それも一般人の読むビジネス誌という
メディアの特性が上手く働いたせいではないでしょうか。
一般的な入門書だと、最終的にはその一冊で
一応一通りのレベルに達させないといけないという前提があるので
詰め込みがちになる。
その点、雑誌にはその縛りがない。
専門誌ならまだしも、一般誌の場合は
読者が知りたい情報だけをピンポイントで載せるのが肝です。
今回の特集はまさにその典型。
説明の言い回しから何から、難しいものは何一つありません。
それでもじっくり読む必要はありますが、
ページ数が限られているので、さほどの負担にはならないはずです。
プログラミングへの特性判断にも有効!興味があるなら読む価値あり
ここまで褒めちぎってきましたが、
とはいえ、そもそもプログラミング自体に性格的に向いてない方というのはいるでしょう。
じっとしてるのが嫌な人とかルーチンワークが嫌な人がいるのと同様に。
そこは個人の特性なんですから仕方がありません。
本特集は、かみ砕かれまくっているだけに、逆にそうした特性の判断にも使えるかもしれません。
これをじっくり読んで「わけわからない!」となるとしたら、かなり自分にとっては難易度が高いスキルだと思った方がいいでしょう。
また、単にわからないならまだしも、この記事の内容にまったく面白みを感じられなかったなら、
さくっと割り切って別の磨くべきスキルを探した方がいいかもしれません。
正直、これを書いている私自身、プログラミングが(重要なスキルの一つとまでは言えるにしても)必須だとは微塵も思っていません。
だって、プログラマーの資質を持つ人間しか生き残れない時代が仮に来たとしたら、
その時はそもそも社会自体がぶっ壊れてしまうでしょう。
たとえ学校で必修になろうが、「プログラミング適性」という極めて限定された資質を持つ人間ばかりが、そんなにうようよいるわけありませんから。
最近は過度な煽りがよく話題になりますが、これもその一つのような気がしています。
その意味では、本特集も悪く言えば、そのあおりに乗っかった感は否めません。
ただ、内容そのものはいたって良心的で丁寧。
それだけに、自分にはプログラミングなんて無理かなあ…と思っている方にも是非読んでほしい特集です。
面白いと思えれば幸い。
思えなかったとしても、スッパリ見切りをつけて別の道を探るきっかけにはなってくれるはずです。