ナマケモノの生態に癒される

こんにちは、雪月堂です。

ナマケモノという動物の名前を、一度は耳にされたことがあると思います。
最初に名前をつけた人はものすごいネーミングセンスだとは思うのですが、
そのインパクトゆえに割とネタ的に使われてしまっている感もあります。
今日は、そんな少々気の毒なナマケモノの生態に癒されようという趣向です。

 

ナマケモノは、その名の通りとにかく動かない動物です。
じーっとしていることがとにかく多く、動き出しても非常にのんびりとしたスピード。
人間なら、現代のスピード社会では「モタモタしてんじゃない!」との叱責必至です。

が、意外なことに、ナマケモノのスローっぷりには重要な意味があります。
ナマケモノは哺乳類としては珍しい変温動物です。
そのため、常に体温を保たなければならない恒温動物と比べて、
カロリーの消費が非常に少ないのです。
この特徴をさらに生かすのが動くこと自体が少ない生態なのです。
これにより、通常の動物と比較すると、
必要となるカロリー摂取が桁違いに少なくて済むわけです。

自然界で生きていくにはのんびりし過ぎている感のあるナマケモノですが、
彼らはいわばひたすらに省エネに特化することによりまず動かずに済む生活を手に入れ、
その上で擬態などを使って生き延びてきたわけです。
もっとも、それだけにオウギワシなどの天敵に見つかった場合にはアウトですが・・・
そんなナマケモノの生態は、あまりにも省エネなため、
エコロジー団体も目をつけているようです。

 

もっとも、そんな難しいことはさておき、動物園で彼らを見ていると、
あまりのノンビリさ加減に、こちらまでボケーっとした気分に浸ることができます。
競争を捨て、自分がひたすら消費しない存在になることに特化した彼らは、
なんとも平和な雰囲気を持っています。

動物園におけるナマケモノといえば、あまりにも動くことが少ないため、
動物園の主賓である子供たちにはつまらない存在です。
そのため、檻の前を素通りされる率はトップクラスですが、じっくり観察してみると、
愛嬌のある顔といい生存競争をハナから放棄したかのような動きといい、
普段あくせくしてカロリー消費しまくりの自分を見つめ直す時間になることは必至です。
もちろん、人間の場合は生活がかかってますから彼らの真似など不可能ですが、
こういう存在がいることを改めて認識するだけでも、結構気分的には違うと思います。

 

なお、動物園のナマケモノは、環境が自然と違うからか意外に動くことも多く、
上野動物園では、檻の外の木にロープを渡して、
ナマケモノが自由に出てこれるようにしています。
この辺はおとなしい動物ならではの展示手法なのですが、
タイミングよく行きあたるとは限りませんので、
たまたま見れたらラッキーくらいに考えた方が無難でしょう。

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