スイッチバック・絶景…雄大さが魅力のおすすめ山岳路線

絶景路線といえば、外せないのが山岳路線です。森林浴なんて言葉もあるように、人間と言うのは森林に対して本能的になにか感じるものがあるのかもしれません。

この記事ではそんな野山の魅力を存分に味わえる路線をいくつかピックアップしてみます。

 

JRが誇る名物山岳路線・3選

山深くはないが絶景度は最高の小海線

最初に小海線からいきましょう。JRの全路線中、最高高度の地点を走る路線で、中央本線の小渕沢駅(山梨県)としなの鉄道の小諸駅(長野県)を結んでいます。

最初に上げておいてなんですが、山岳とはいったものの、いわゆる山深さという雰囲気はあまりなく、どちらかというと高原路線といった雰囲気が強いです。勾配はきついのですが、別荘地が多いこともあり、思ったよりは開けた印象を受けると思います。ただ、その分景色は文句なしの絶景で、南アルプスの雄大さが存分に味わえるはずです。ちなみに、途中には新幹線駅もあるため、関東圏・北陸圏にお住まいの方は比較的訪れやすいと思います。

 

ループ線とスイッチバックの合わせ技が味わえる肥薩線

次に、肥薩線。九州の鉄道を語る際にはまず間違いなく、真っ先に紹介される観光路線です。

熊本の八代駅と鹿児島の隼人駅を内陸経由で結んでいますが、この路線を有名にしているのは、県境付近の山越え区間(通称:山線)。全国でも数少なくなったスイッチバックに加え、豪快なループ線構造が採用されています。そうした珍しさと景色のスケールの大きさも相まって、度胆を抜かれること必至です。小海線とは違ってかなりの山深さで、文字通りの山岳路線といった風情です。

ただし、本数はJR九州管内でも屈指の少なさなので、乗車にはかなり綿密な計画が必要でしょう。

 

陰陽連絡線の中でも屈指の山岳路線・木次線

最後に、木次線。島根県の宍道駅から中国山地に向けて南下する路線です。

自然はもちろん、横を走るループ式の国道の威容をたっぷり楽しめたりと、険しい山岳地帯ならではの魅力をたっぷり味あわせてくれます。スイッチバック駅も完備。個人的には、上で挙げた2つと比べても、車窓のローカル色は輪をかけて強いと思っています。

陰陽連絡線の中心的な役割を伯備線に奪われてからは、長らくかなりマイナーな立ち位置に甘んじてきた路線ですが、最近ではトロッコ列車の運行もあり、知名度はかなり高くなっています。

ただ、この路線、乗車難易度も最強クラス。特に、肝心の絶景区間は1日3便というすさまじさな上、他路線との乗り継ぎ連絡にしても決していいとは言い難いため、訪れるなら最初からこの路線に乗ることを最優先した計画を立てることが必要になります。さらに言うと、冬季は雪で運休になっていることが多々ある(というかほぼ毎年の恒例行事)のため、確実に訪れたいなら冬以外にした方が無難です。

 

乗りづらささえ相殺する神秘的な非日常っぷり

本文でも触れていますが、これらの路線は、総じて決して乗りやすい路線ではありません。山岳地帯というのは言い方を変えれば人口希薄地帯ですから、当然のように本数は少ないです。また、同じ絶景でも海景色とは違って開放感は少ないため、かなり地味な方向性になりがちなのは否めません。

ただ、その代わり非日常感という点では絶品。開放感が薄い代わりに、どこか神秘性を感じる静かな車窓が続く様子は、普段とはまったく違った感覚で乗客を包み込んでくれます。特に都市部に住んでいると、その感覚は強烈の一言。一度乗りとおしても、不思議とまた乗りたくなる魅力を持っています。こうなると、乗りづらさというマイナス点さえも逆にレア感を醸し出す要素に過ぎません。

あなたが非日常というキーワードに魅力を感じるなら、ハマる素養ありありです。

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